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睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療とは?効果や保険適用されるのかも紹介

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が止まることで健康に大きな影響を与える病気です。その治療法の一つとして注目されているのが「マウスピース治療」。

手軽で続けやすく、いびきや呼吸の改善が期待できるこの治療法ですが、保険適用や費用、効果、さらにはデメリットについて知っておくべきことがたくさんあります。本記事では、マウスピース治療の仕組みやメリット・デメリット、費用について詳しく解説し、あなたに合った治療法を選ぶための情報を提供します。

そもそも、睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療とは?

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睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に呼吸が何度も止まる病気です。この症状が続くと、睡眠の質が低下して日中に強い眠気を感じたり、心臓や血管に負担がかかることで、健康に深刻な影響を及ぼすことがあります。

マウスピース治療は、この病気の中でも軽度から中等度の人に効果的な治療法として用いられます。マウスピース治療の仕組みは、寝ている間に装着する専用のマウスピースで下顎を前に押し出し、気道(空気の通り道)を広げることにあります。

これにより、喉が狭くなって空気が通りにくくなることを防ぎ、無呼吸やいびきを減らす効果があります。実際に使用された患者の約80%でいびきの減少や無呼吸の改善が見られるとされています。

具体的な例を挙げると、1時間に無呼吸が20回起こっていた人が、治療後には5回程度まで減ったという報告もあります。また、この治療法はCPAP(持続的気道陽圧療法)と比べて装置が小さく、持ち運びや使用が簡単である点も魅力です。

ただし、効果には個人差があり、全ての患者に適しているわけではありません。歯医者で患者の口の形に合ったオーダーメイドのマウスピースを作る必要があります。

マウスピース治療は比較的手軽で続けやすい治療法ですが、専門的な診断を受けて適切な治療を選ぶことが大切です。

睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療は保険適用される?価格も紹介

マウスピース治療は、費用がかかる治療法ですが、日本では条件を満たせば保険が適用される場合があります。ここでは、保険適用の条件、治療にかかる費用の目安、そして保険が適用されなかった場合の対策について解説します。

保険適用の条件とは?

ルール/条件

マウスピース治療が保険適用されるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。まず、睡眠時無呼吸症候群の診断が医師によって正式に行われることが必須です。

診断には、睡眠中の無呼吸低呼吸指数(AHI)が重要な基準になります。たとえば、AHIが15以上である場合、保険適用の対象となることが多いです。

さらに、診断を受ける際には、専門の医療機関での睡眠検査が求められます。この検査では、睡眠中に何度呼吸が止まるか、どの程度の症状があるかを確認します。

また、マウスピースは歯科医院で作成されますが、医師の診断書が必要です。これらの条件を満たせば、保険適用により治療費の負担が軽減される可能性があります。

治療にかかる費用の目安

お金/買う

保険が適用された場合、マウスピースの費用は3割負担で1~2万円程度が一般的です。

たとえば、保険適用前の価格が5万円だった場合、患者が実際に支払う金額は1万5000円前後になります。ただし、価格は病院や地域によって異なる場合があります。

保険適用外の場合、マウスピースの価格は通常5~10万円程度となります。この差は、治療に使用する素材や装置の精度、医師の技術などによって変わることがあります。

さらに、定期的なメンテナンス費用が必要な場合もあり、治療を受ける前にトータルの費用を確認することが大切です。

保険適用外の場合の価格と対策

コスト

保険が適用されない場合でも、高額な治療費を軽減する方法があります。

一つは医療費控除です。年間の医療費が一定額を超えた場合、確定申告を行うことで所得税が還付される可能性があります。

たとえば、年間10万円以上の医療費を支払った場合、控除の対象となります。また、分割払いに対応しているクリニックもあるため、一度に全額を支払う負担を減らすことも可能です。

さらに、医療保険に加入している場合、保険金の対象となる場合もありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。このような方法を活用することで、経済的な負担を軽減しつつ治療を進めることができます。

睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療のメリットは?

マウスピース治療は、簡単に始められる上に効果が期待できる治療法です。その手軽さや、いびきの軽減、CPAPや手術との比較における利点を詳しく解説します。

装着の手軽さと生活への影響の少なさ

GOOD/メリット

マウスピース治療は、寝るときにマウスピースを口に装着するだけで簡単に行えるのが大きな特徴です。装置はポケットに入るほど小型で軽く、旅行先にも持ち運びができるため、普段の生活にほとんど影響を与えません。

例えば、CPAP装置のようにコンセントを使う必要がなく、音も出ないため、家族やパートナーにも迷惑をかけにくいです。また、マウスピースは個々の歯や口の形に合わせて作られるため、慣れると装着感も気にならなくなる人が多いです。

特に、CPAP装置が苦手な人にとっては、快適な選択肢と言えます。この手軽さは、治療を続けるモチベーションを高める点でも大きなメリットです。

いびきの軽減や睡眠の質の向上

アップ

マウスピース治療を始めると、多くの人がいびきの軽減を実感します。例えば、睡眠時のいびきが家族にとって大きなストレスだった人が、治療を始めたことで音がほとんどなくなり、家族も自分も快適に眠れるようになったという報告があります。

また、いびきが減るだけでなく、睡眠時の呼吸がスムーズになることで睡眠の質も向上します。質の良い睡眠を取れるようになると、朝の目覚めがすっきりしたり、日中の眠気が減ったりするなど、日常生活にも良い影響を与えます。

こうした変化は、仕事や勉強への集中力アップにもつながるため、生活全体の質を高める結果をもたらします。

CPAPや外科手術と比べた際の利便性

寝る

CPAP(持続的気道陽圧療法)は、マウスピース治療よりも重度の無呼吸症候群に適していますが、装置が大きく、寝室に置くスペースが必要です。さらに、装着中に鼻や口に空気を送り込むため、乾燥や違和感を訴える人も少なくありません。

その点、マウスピースは装着が簡単で、持ち運びも楽です。また、外科手術は根本的な治療が可能な場合もありますが、手術に伴うリスクや長い回復期間が必要です。

一方、マウスピースは体に負担が少なく、効果が現れ始めるまでの時間も比較的短いと言われています。こうした利便性の高さが、多くの人にとって魅力的な治療法となっている理由です。

睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療のデメリットは?

マウスピース治療は便利で効果的な方法ですが、すべての人にとって完璧な治療法ではありません。副作用や使い心地、効果が出るまでの時間、他の治療法との違いなどを知っておくことで、自分に合った治療法を選ぶ助けになります。

顎関節の違和感や痛みを感じる

病気

マウスピース治療の副作用として最も多いのが、顎関節の違和感や痛みです。下顎を前に出す形で使用するため、一部の人は朝起きたときに顎が疲れたり、口が閉じにくいと感じることがあります。

また、マウスピースが合わない場合、歯が痛くなったり噛み合わせが変わることもあります。使い心地については、最初は「異物感」が強いと感じる人が多いですが、数週間で慣れるケースがほとんどです。

さらに、長期間使用する際にはマウスピースのメンテナンスが必要です。たとえば、汚れを防ぐために毎日洗浄し、定期的に歯科医でチェックを受ける必要があります。

効果が出るまでの期間に個人差がある

睡眠

マウスピース治療の効果は、すぐに実感できる場合もあれば、数週間から数か月かかることもあります。例えば、いびきが軽減するのは比較的早く、装着初日から効果を感じる人もいます。

しかし、無呼吸の回数が完全に減少するまでには、適切な調整が必要な場合があります。特に、マウスピースの効果は「個人差」が大きいため、治療の経過を歯科医としっかり相談しながら進めることが重要です。

効果を確認するために再度睡眠検査を行う場合もあります。このように、長期的に続けることで効果がより安定します。

マウスピース治療だけでは十分でないことも

治療

重度の無呼吸症候群の患者には、マウスピース治療だけでは十分でないことがあります。この場合、CPAPや手術と組み合わせた治療が検討されることもあります。

各治療法のメリット・デメリットを理解し、自分の症状や生活に合った方法を選ぶことが大切です。

結局、マウスピース治療で睡眠時無呼吸症候群は治せるの?

はてな

マウスピース治療を使えば、睡眠時無呼吸症候群を完全に「治す」ことは難しいですが、症状をかなり軽くすることができます。この治療法は、下顎を少し前に出して空気の通り道を広げる仕組みなので、特に軽度から中等度の人に効果的です。

例えば、1時間に呼吸が止まる回数を表す「無呼吸低呼吸指数(AHI)」が15回だった人が、治療を続けることで5回以下に減ることもあります。ただし、無呼吸の原因が肥満や鼻の病気の場合、マウスピースだけでは十分に効果を発揮しないことがあります。

その場合は、食事や運動、他の治療法と組み合わせる必要があります。また、マウスピース治療の効果は使い続けることで維持されます。

たとえば、寝る前に毎晩装着することが求められるため、治療をやめてしまうと症状が再発する可能性もあります。さらに、個人差があり、全ての人に同じ効果があるわけではないことも知っておくべきです。

このように、マウスピース治療は睡眠時無呼吸症候群の症状を緩和する有効な手段の一つですが、医師の診断を受けて自分に合った治療法を選ぶことが重要です。正しい治療を続けることで、生活の質を大きく向上させることができます。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が止まることで体にさまざまな悪影響を及ぼす病気ですが、マウスピース治療は症状を和らげるのにとても有効な方法です。この治療法は、特に軽度から中等度の患者さんに適しており、下顎を少し前に出して気道を広げることで呼吸をしやすくします。

また、保険が適用される場合、3割負担で1~2万円ほどで治療を始められることが多いです。ただし、適用されるためには医師の診断が必要で、重症度などの条件を満たす必要があります。

保険適用外でもマウスピースの価格は5~10万円ほどで、CPAP治療に比べると費用は抑えられます。一方で、副作用や効果が出るまでの時間などデメリットも存在しますが、専門の医師に相談しながら自分に合った治療法を見つければ、生活の質を大きく向上させることができます。

健康な睡眠を取り戻すためにも、まずは医療機関で診断を受けることをおすすめします。睡眠の改善は日常生活のあらゆる面に良い影響をもたらしますので、ぜひ前向きに検討してみてください。

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